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第1回で、僕のAI課金は月44,408円、日本のIT・Webエンジニアの平均(月5,776円)の約7.7倍だと分かりました。金額だけ見れば、明らかに多い。
でも、そこで一つ引っかかったままのことがあります。「多い」って、誰と比べて、何を基準に多いのか。
同じ月4万円でも、手取り30万円の人と手取り100万円の人では家計への重さがまったく違います。平均との比較は「珍しいかどうか」は教えてくれますが、「払いすぎかどうか」は教えてくれません。それを決めるには、収入との比率で見る物差しが要ります。
ところが探しても、「AI課金は手取りの何%まで」という基準はどこにもありませんでした。無いなら、家計にすでにある目安から作ってみよう、というのが今回です。
まず、家賃の目安を思い出す
AI課金の話をする前に、家計にはすでに「これくらいが普通」という目安がいくつかあります。
- 家賃は手取りの25〜30%程度。 三菱UFJ銀行のコラムでは、ギリギリにならない家賃としてこの範囲が示されています。一人暮らしなら「3分の1程度」までを目安にする資料もあります
- 食費は手取りの15%程度。 カード会社の家計例では、家賃25〜30%、食費15%、光熱費5%、通信費5%、貯金10〜20%という配分がよく出てきます
- 50/30/20ルール。 米国の消費者金融保護局(CFPB)が紹介している方法で、手取りの50%を「必需品」、30%を「自由に使うお金」、20%を「貯蓄」に振り分けます。ただしCFPB自身が「全員が守れる絶対のルールではない」と書いています
たとえば「家賃10万円」なら、25〜30%の目安から逆算して手取り33〜40万円くらいが想定される収入です。手取り20万円で家賃10万円はかなり重い。手取り40万円なら普通。同じ10万円でも、収入によって意味が変わります。
この「収入との比率で見る」という考え方を、そのままAI課金に持ち込みます。
AI課金は「自由に使う30%」の中にいる
50/30/20ルールで考えると、AI課金は生活必需品ではないので、「自由に使うお金=30%」の側に入ります。
- 必需品(家賃・食費・光熱費など)
- 自由に使うお金(AI以外)
- AI課金 10%(貧乏ライン)
- 貯蓄
表で見る
| 項目 | 手取りに占める割合 |
|---|---|
| 必需品(家賃・食費・光熱費など) | 50% |
| 自由に使うお金(AI以外) | 20% |
| AI課金 10%(貧乏ライン) | 10% |
| 貯蓄 | 20% |
ただし30%を全部AIに使ったらさすがにおかしい。そこで、家計の目安を借りて境界を置いてみました。
- 手取りの3%以内 → 普通の人。家計への影響は小さい
- 3〜5% → AI好き。ヘビーユーザーだけど、ぜんぜんあり得る範囲
- 5〜10% → 沼。他の娯楽や自己投資を削っていないか、一度見たほうがいい
- 10%超 → AI課金貧乏ライン
- 20%超 → もう、AIのために働いている
表で見る
| 手取りに占める割合 | 判定 |
|---|---|
| 0%〜3%未満 | 普通の人 |
| 3%〜5%未満 | AI好き |
| 5%〜10%未満 | 沼 |
| 10%〜20%未満 | AI課金貧乏 |
| 20%〜 | AIのために働いている |
なぜ10%を「貧乏ライン」にしたかというと、手取りの10%は一般的な貯蓄の目安と同じだからです。貯金に回すはずだった額をそのままAIに払っている、と言い換えられます。5%は、自由に使う30%の6分の1。趣味が複数ある人なら「そのうちの1つ」として妥当な上限、という置き方です。
ここまでは公的な基準ではなく、上の目安をもとにこのブログが仮に置いた線です。そこは正直に書いておきます。
実際に計算すると、急に具体的になる
手取り別に、5%ラインと10%ラインを並べるとこうなります。
- 5%ライン(目安の上限)
- 10%ライン(貧乏ライン)
表で見る
| 月の手取り | 5%ライン(目安の上限) | 10%ライン(貧乏ライン) |
|---|---|---|
| 20万円 | ¥10,000 | ¥20,000 |
| 30万円 | ¥15,000 | ¥30,000 |
| 40万円 | ¥20,000 | ¥40,000 |
| 60万円 | ¥30,000 | ¥60,000 |
| 80万円 | ¥40,000 | ¥80,000 |
| 100万円 | ¥50,000 | ¥100,000 |
「AIに月3万円払っている」という同じ状態でも、
- 手取り30万円なら 10%。かなり重い
- 手取り60万円なら 5%。仕事でも使っているなら十分あり得る
- 手取り100万円なら 3%。そこまで異常ではない
つまり、「AIに月3万円だから課金しすぎ」という判断は、それ単体では成立しません。 収入との比率で見ないと意味がない。家賃と同じです。
もっと怖い逆算
ここからが本題です。「AIにこのくらい課金したいなら、手取りはいくら欲しい?」を、5%以内という条件で逆算しました。
表で見る
| AI課金(月) | 5%以内にするための手取り |
|---|---|
| ¥3,000 | ¥60,000 |
| ¥10,000 | ¥200,000 |
| ¥20,000 | ¥400,000 |
| ¥30,000 | ¥600,000 |
| ¥50,000 | ¥1,000,000 |
| ¥100,000 | ¥2,000,000 |
AI課金が月5万円なら、それを手取りの5%に収めるには、手取り月100万円必要です。 月10万円なら200万円。
AIを使って効率よく稼ぐはずが、AIに課金するために働いていないか。ちょっと立ち止まりたくなる数字です。
で、あなたはどうなのか
というわけで、記事の途中ですが、ここで調べられます。手取りと、AIに払っている月額の合計を入れるだけです。入力した数字はどこにも送られません。この画面の中で割り算しているだけです。
重要な例外:仕事で使っているなら別の物差し
ひとつ大事な補足があります。AIを仕事のために使っていて、売上や時間短縮を直接生んでいる場合は、この比率で見るべきではありません。
その場合は「手取りの何%」ではなく、事業経費としてROI(投資対効果)で見るのが筋です。月3万円のAIが月10万円分の作業を削減しているなら、家計の比率では高く見えても、経営判断としては合理的です。
なので、この記事での「AI課金貧乏」は最終的にこう仮定義しておきます。
個人のAI課金額が手取り収入の10%を超え、貯蓄や生活、他の自由な支出を圧迫している状態。
「仕事で回収できている」なら、それは貧乏ではなく投資です。回収できていないのに「仕事にも使ってるし」と言っている場合が、たぶん一番危ない。僕のことです。第1回の「月4万円を回収するには何時間助けてもらえばいいのか」は、まさにこの確認でした。
結局、誰におすすめか
- AIに月1万円以上払っている人 → 一度、手取りに対する比率を見てみてください。3%以下なら気にしなくていいです
- 「仕事で使ってるから」と言っている人 → その仕事で、課金額ぶん回収できているかを別に確認してください。できていれば投資、できていなければ沼です
- これからAIに課金しようとしている人 → 手取りの5%を上限の目安にすると、増やしすぎを防げます
念のためもう一度。「5%まで/10%からAI課金貧乏」は、どこかの機関が定めた基準ではありません。 下の資料の家計比率を参考に、このブログが作った独自の指標です。
- 基準の根拠にしたもの:J-FLEC「お金のキホン」(家賃は収入の3分の1程度)、J-FLEC「生活設計は引き算で」(収入−貯蓄=支出、年収の1割)、CFPB「Analyzing budgets」(50/30/20ルール)
- 日本の家計目安の補強:三菱UFJ銀行「家賃は手取りの何割が相場?」、三井住友カード「実家暮らしで貯金するには?」、同「1人暮らしの家賃はいくら?」
家計の目安は時期や資料によって少しずつ違います。この記事の数字は2026年9月時点で確認した一般的な目安です。
次回:手取り比だけでは見えないもの
今回の物差しは「手取りの何%か」でした。シンプルで分かりやすい反面、弱点もあります。手取り30万円でも、東京で一人暮らしをしている人と、実家暮らしの人では、自由に使えるお金がまったく違う。手取り比が同じ10%でも、家計への重さは同じではありません。
そこで次回は、総務省の家計調査と住宅・土地統計調査から、家族構成と住んでいる都道府県に合わせた「あなたの標準家計」を自動で作り、生活費と貯蓄を引いた「自由に使えるお金」の何%がAIに消えているかで判定します。ついでに、僕自身の結果も白状します。
- 第1回:AI課金貧乏はあり得るのか!? 月4万円超払う僕が、みんなの平均を調べてみた
- 第2回:この記事
- 第3回:あなたの生活で、そのAI課金は本当に高いのか(統計で「標準家計」を作って判定。準備中)